音の無い世界

自分が所属している会社の部内に、聴覚障害を持った女性が入社してきました。
私がとなりの席で仕事を教えています。
筆記メインですが、簡単な事なら口話で会話をします。

彼女は2歳の頃、高熱に侵されたことが原因で聴力を完全に失ったそうです。

まだ言葉を覚える前の小さな子供が、これから自然に耳から覚えていくであろうたくさんの言葉を自分の中に入れていくのがどんなに難しいことか。

例えば雨が降る音
ザーザーっていうんだよ。

電車が走る音
ガタンゴトンっていうんだよ。

擬音だけじゃない。
たくさんの固有名詞。

何もかも音として覚えていくことができないのです。本を読んだり、人に教えてもらったり。
並大抵の努力ではなかっただろうと思います。

だから彼女が書く文章は少し文法が逆さまになったりしてる時もあります。

でもそれを見つけたらしっかり教えてあげます。
だって彼女はそれを知らなかったのだから。
教えてあげればそれでいい話です。



”しーんと静まり返った世界”がどんなものなのか、彼女の世界がどんなものなのか。多分私の想像を遥かに超えているのだろうと思います。

音が聴こえる…。
そんなこと当たり前に生きている自分。
大好きな音楽が聴けて、大好きな人達と話をして笑って。時には怒って大きな声を出す時もある。

でも彼女に出会って話しをするようになって
言葉を伝える素晴らしさを感じられるようになりました。
口話の時は特にそう。
表情をつけながら、ひとつの単語を伝えるために一生懸命心を通わします。お互いに。
分かり合えた時、とても嬉しくてニコニコしちゃいます。



来年は手話を習いに行こうかな ٩(•̤̀ᵕ•̤́๑)

ナマ

ナマです。ゆるくボチボチ。 ほぼ”独り言”とお許しください┏○ペコ

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